久しぶりに実家へ帰ったら、庭が草だらけになっていた。玄関までの道に枝が伸びて、お隣の塀にまでかかっている――。「ああ、ついに来てしまった」と、胸がぎゅっとなった方もいるかもしれません。
遠くに住んでいると、庭の手入れまではなかなか手が回りませんよね。それはあなたが怠けているからではなく、距離と時間の問題です。まずは自分を責めないでください。
この記事では、実家の庭を放っておくと何が起きるのかを「放置した期間別」「季節別」に整理し、今日からできることを一緒に順番に確認していきます。全部を一度にやらなくて大丈夫。一つずつ、進めていきましょう。
手遅れということはありません。どんなに荒れた庭でも、順番に手をつければ必ず落ち着きます。まずは「今、何が起きているか」を知るところから始めましょう。
放置した期間で、庭はこう変わっていく
庭の荒れ方は、放置した期間でだいたい予想がつきます。今の実家がどの段階に近いか、照らし合わせてみてください。
| 放置期間の目安 | 庭の様子 | 起きやすいこと |
|---|---|---|
| 数か月 | 雑草が膝の高さまで伸びる | 虫が増える、見た目で「空き家」と分かる |
| 1年前後 | 庭木の枝が伸び、隣地や道路にはみ出す | ご近所からの連絡、落ち葉や枝の苦情 |
| 2〜3年 | つる草が建物や塀に絡む、雑木が生える | 害虫・害獣のすみか、建物の傷み |
| それ以上 | 木が大きく育ち、自分では手が出せない | 倒木の危険、作業費用が大きくなる |
放置期間が長いほど、片付けの手間と費用は大きくなります。逆に言えば、今動き出すことが一番の節約になります。
✔ ここまで読んで「うちは1年くらいかな」と見当がついたら、それだけで一歩前進です。
庭を放置すると起きる7つのこと
1. ご近所に迷惑がかかる
伸びた枝が隣の家や道路にはみ出すと、通行の邪魔になったり、落ち葉が隣の敷地に積もったりします。実家に住んでいない分、ご近所は「誰に言えばいいのか」と困っていることも少なくありません。
2. 虫や動物が集まる
雑草や落ち葉の下は、蚊やムカデ、ハチの巣、場所によってはネズミやハクビシンのすみかになることも。ご近所にも広がるので、特に気をつけたいポイントです。
3. 不審者や不法投棄のきっかけになる
荒れた庭は「人が住んでいない家」のサインになります。ゴミを捨てられたり、空き巣に狙われたりするきっかけになりかねません。
4. 建物が傷む
つる草が外壁や雨どいに絡んだり、木の根が基礎や配管に影響したりすることがあります。湿気がこもり、家そのものの傷みも早くなります。
5. 火事のリスクが高まる
枯れ草や落ち葉が積もった庭は、たばこのポイ捨てなどで燃え広がりやすくなります。
6. 自治体から指導を受けることがある
管理が不十分な空き家は、自治体から改善の指導を受けることがあります。状態によっては「管理不全空家」等に指定され、固定資産税の住宅用地特例が外れる場合もあります。
7. 片付け費用がどんどん大きくなる
草刈りだけで済んでいたものが、伐採や抜根、処分まで必要になると、費用は一気に上がります。
季節ごとに気をつけたいトラブル
庭のトラブルは、季節によって変わります。帰省のタイミングを考えるときの参考にしてください。
- 春(4〜5月):雑草が一気に伸び始める時期。ここで一度刈っておくと、夏がぐっと楽になります
- 夏(6〜8月):雑草のピーク。蚊やハチ、ヘビなども出やすく、作業は暑さとの戦いに
- 秋(9〜11月):台風で枝が折れたり、木が倒れたりする心配も。落ち葉の苦情が増える時期
- 冬(12〜2月):草が枯れて作業しやすい季節。庭木の剪定や伐採にも向いています
できなくはありませんが、真夏の作業は熱中症の危険があります。無理をせず、草刈りだけ業者に頼んで、帰省の時間は家の中の片付けにあてる、という分け方もおすすめです。
ご近所から連絡が来たときの対応
「お宅の木の枝がうちに入ってきていて…」。ご近所から電話や手紙が来ると、申し訳なさと焦りでいっぱいになりますよね。でも、すぐに全部を解決できなくても大丈夫。大切なのは、まず誠実に返事をすることです。
- まずお礼とお詫びを伝える:知らせてくれたことへの感謝を伝えましょう
- いつ対応できるかを伝える:「今すぐ」でなくても、具体的な予定を伝えると安心してもらえます
- 連絡先を伝えておく:次に何かあったとき、直接連絡をもらえるようにします
手紙で連絡をもらった場合も、できれば電話か手紙で返事をしましょう。対応が終わったら「おかげさまで切ってもらいました」と一言伝えると、その後のお付き合いがずっと楽になります。
✔ ご近所への返事ができたら、もう半分は解決したようなものです。あとは手配するだけ。
今日からできる、庭の確認ステップ
ここからは、実際に動き出すための手順です。一緒に順番に確認していきましょう。
ステップ1:今の状態を写真に撮る(または撮ってもらう)
帰省したときに、庭全体、伸びた木、隣地との境目、建物の周りを撮っておきます。帰れない場合は、親戚やご近所の方にお願いしてもいいでしょう。写真があれば、業者に見積もりを頼むときにも役立ちます。
ステップ2:「何をしたいか」を決める
- とりあえず草を刈ってきれいにしたい
- 隣にはみ出している枝だけ切りたい
- 大きな木を切って、手入れを楽にしたい
- 今後も定期的に管理してほしい
草刈り・剪定・伐採の違いは草刈り・剪定・伐採の違いは?で詳しく解説しています。
ステップ3:業者に見積もりを頼む
遠方から頼むときは、立ち会いなしでいいか、作業前後の写真を送ってもらえるか、処分費が含まれているかを確認しておくと安心です。頼む順番は遠方の実家の庭が荒れていたら?にまとめています。
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遠方の場合は、立ち会いの有無や作業後の写真報告ができるかも聞いておくと安心です。
ステップ4:今後の管理方法を決める
一度きれいにしたら、次はその状態を保つ方法を考えます。
- 年に1〜2回、帰省に合わせて業者に頼む
- 定期管理のプランを契約する
- 防草シートや砂利で、草が生えにくくする
- 思い切って木を減らし、手のかからない庭にする
きょうだいがいる場合は、費用と見回りを分担できると、一人に負担が集中しません。
実家の庭、確認チェックリスト
- □ 今の庭の写真がある(または撮ってもらえる人がいる)
- □ 隣地や道路にはみ出している枝がないか確認した
- □ ご近所に自分の連絡先を伝えている
- □ 草刈り・剪定・伐採のどれが必要か見当がついている
- □ 見積もりを頼む業者の候補がある
- □ 今後の管理方法(誰が・いつ)を家族と話した
✔ 全部にチェックがつかなくても大丈夫。一つでも埋まったら、ちゃんと前に進んでいます。
実家の庭のよくある質問
Q. 隣の家の枝が伸びてきた場合、勝手に切られることはありますか?
2023年4月の民法改正で、越境した枝について、一定の条件のもとで隣地の所有者が切り取れるルールができました。トラブルを避けるためにも、連絡をもらったら早めに対応しましょう。
Q. 草刈りだけなら自分でやったほうが安いですか?
道具代と時間、体力を考えると、広い庭や遠方の場合は業者に頼んだほうが結果的に楽で安く済むこともあります。まずは見積もりを取って比べてみてください。
Q. 庭木を切ると縁起が悪いと親が気にしています。
気持ちは大切にしたいですね。お祓いをしてから伐採する方もいます。親御さんの思い出の木なら、全部切らずに一部を残す、写真に残す、という方法も一緒に考えてみてください。
Q. 実家を売る予定があるなら、庭はそのままでいいですか?
売るまでの間も、ご近所への迷惑や防犯の面から、最低限の手入れはしておいたほうが安心です。また、庭がきれいなほうが内覧の印象もよくなります。
まとめ:庭のことは、一つずつで大丈夫
実家の庭は、放っておくとご近所への迷惑、虫や不審者、建物の傷み、費用の増加など、少しずつ問題が大きくなっていきます。でも、今日この記事を読んで「何が起きるか」が分かったなら、それはもう立派な第一歩です。
次は、写真を撮ること。その次は、何をしたいか決めること。一つずつ進めていけば、必ず落ち着きます。遠くからでも、あなたにできることはちゃんとあります。一緒に進めていきましょう。
実家全体の整理の進め方は実家じまいとは?何から始める?で解説しています。


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